別荘の売却は難しい?難しいとされる理由と売却のポイントについて
所有している別荘を売りたいと考えた場合、一般的な家のように売却することはできるのでしょうか。一般的な家は築年数が新しかったり、利便性のよかったりするところは売れる可能性が高いですが、別荘は避暑地や静養するものとして利用するので、勝手が異なります。今回は別荘の売却事情についてご紹介します。
別荘の売却を考えるタイミング
別荘の売却を考えるのはどのようなタイミングでしょうか。よくあるケースをまとめました。
別荘の維持費が大きく感じてきたとき
別荘があると、ゴールデンウィーク、夏休みや正月などに、レジャー施設やホテルを予約しなくてすむので、レジャー費用が少なくすみます。大混雑しているレジャー施設に行かなくても、非日常を過ごせるのが別荘のよいところでしょう。しかし、別荘は一般的な家と同じように、固定資産税や都市計画税がかかります。
また、光熱費も必要です。自宅を所有している場合、自宅と別荘の2か所の税金や光熱費を払うことになるので、いつでも別荘に行ける楽しさやメリットより、維持費が負担に感じてきたときが、別荘の売却を考えるタイミングといえるでしょう。
別荘に行く機会が減ってきたとき
別荘を所有したばかりのときや子どもが小さいときは、別荘に行く機会が多いでしょう。しかし、別荘までのアクセスが悪く足が遠のいている、子どもが大きくなったから一緒に別荘に行く機会がないといった場合に、別荘の売却を考えはじめるでしょう。
相続する人がいない
別荘は親や親戚から相続したという方も多いのではないでしょうか。自分が別荘を子どもや親戚に相続したいと思ったときに、相続したい人がいない場合は、そのまま自分が所有しておいて税金を支払うか、思い切って売却するかといった考えになります。
別荘の売却は難しい?その理由とは
別荘の売却は難しいといわれます。その理由についてまとめました。
ニーズが少ない
いわゆるバブル時代は、日本が経済的に豊かな時代であり、別荘は富裕層の象徴として売買された時代がありました。しかし近年は、新型コロナウイルスの登場により、今まで安定していた業界が不安定になるなど、景気が不安定になりました。そのため、別荘を買おうというお金や心の余裕がない方が多いため、別荘購入のニーズが少ないといえます。
立地が悪い
別荘は避暑地や観光地、自然が多い場所などの近くに建てることが多いですが、その多くは立地がよくない場所にあります。静かだったり、非日常感を味わったりするためには、ある程度都会の喧騒から離れた場所が別荘に選ばれますが、いざ売却するとなると立地が悪い場所は、立地のよい場所よりは売れにくいです。
費用がかかるから
別荘は固定資産税などの税金がかかるため、普段使わない別荘に税金がかかるのがいやだという方も多いです。また別荘は安全、快適に利用するためには、管理費やメンテナンス費がかかります。管理人を雇って管理してもらえば、利用したいときに別荘を利用できますが、それなりに管理費がかかります。
また、自分で管理やメンテナンスを行う場合は、交通費やメンテナンスに手間や費用がかかるというデメリットがあります。そのため、別荘はなかなか売れにくいというわけです。
別荘売却の注意点
別荘を売却する際、注意したいポイントが2つあります。別荘を売却する前に、注意点を把握しておくとスムーズです。
また、理想と現実のギャップも減らせます。ここでは、別荘を売却する際の注意点について解説しています。
これから別荘を売却する予定の方は、ぜひ参考にしてください。
税の優遇が受けられない
別荘の売却では、特別控除や損益通算の対象外となります。通常、住宅を売却すると3,000万円の譲渡所得税が控除され0円になります。
しかし、別荘は嗜好品に分類されるので、算出された譲渡所得税は全額支払わなければなりません。譲渡所得税は、別荘を所有していた期間によって金額が変動します。
1年を通して損益と利益が相殺できる損益通算も利用できません。長年所有していた別荘は、価値が下がっていて損益が発生することもあります。
損益通算が利用できず、損益の計上ができない点には注意が必要です。
買い手が見つかりにくい
別荘は、通常の住宅よりも買い手が見つかりにくい傾向にあります。売却価格を値下げしたり、諸費用を売主が負担したりするなど、工夫をしなければなりません。
別荘は維持費が高額なことや、ブームが去ってしまったことで、求めている人が減少しています。しかし、ターゲットを絞り、戦略を立てれば売却できる可能性が高いです。
希望の価格や条件で別荘を売却するためには、不動産会社選びが重要です。売却活動が積極的に行われている不動産会社であれば、売却できる可能性が高くなります。
別荘売却を成功させるポイントは?
なかなか別荘が売れないといっても、売るからにはできるだけ高く売りたいでしょう。別荘売却のポイントについてまとめました。
しっかりメンテナンスしておく
別荘を売却しようと思ったら、自分がもう使わないからといってメンテナンスを怠らず、きれいに保つのがポイントです。購入希望者が内見にきたときに、別荘が汚い、壊れているところがあると、大きなマイナスポイントです。
内見にきた人に、少しでもよい印象をもってもらえるように、しっかり別荘のメンテナンスや管理を行いましょう。その方が高値もつきやすくなります。
査定を複数の業者に頼む
複数の業者に査定してもらうことで、どれくらいの売値が適正なのか、ある程度判断することができます。あまりにも査定金額が低い、高い業者は注意が必要です。一括査定できるサイトで査定を行うと、複数の業者からの査定の結果を受け取ることができるので便利です。
別荘の売却経験がある業者に頼む
不動産業者には、得意不得意があります。全国展開してさまざまな物件を取り扱っている大手の不動産会社、マンションの売買が得意な会社、地域密着型の会社など特徴が異なります。不動産の売却実績がない不動産会社に依頼してしまうとなかなか売れず、売値を下げざるを得ない状況になってしまうかもしれません。
別荘の売却実績がある、または得意な不動産会社であれば、別荘売却のノウハウを持っています。ホームページを見るとどんな分野が得意なのか、ある程度分かるのでチェックしておきましょう。
別荘を売却する際に知っておいた方がいいこと
別荘を売却する際、売りにくい物件の特徴を把握しておくとよいでしょう。売れにくい別荘には特徴があります。
別荘を売却する前に把握しておくことで、対策がしやすいです。ここでは、売れにくい別荘の特徴を紹介しています。
別荘の売却を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
物件の古さ
売れにくい別荘の特徴として、修繕が必要なくらい古いことが挙げられます。別荘は1979年以降から増え、バブル時期が人気のピークでした。
そのため、現在売却される別荘は、築40年〜50年ほど経っているものが多いです。別荘は常に人がいるわけではないので、管理されておらず劣化が進みやすいです。
売却するときには、修繕が必要なくらい劣化していることもあります。購入してもすぐに利用できない別荘は、売れにくい傾向です。
立地
別荘は住宅街ではなく、自然豊かな場所に建てられています。都会から離れ、自然を感じられるのが魅力ですが、交通アクセスが不便な点がネックになります。
駅や主要道路から外れすぎていると、行きづらいため、購入をためらう人が多いです。別荘を購入した当初は観光地で賑わっていても、時間が経って廃れてしまう土地もあります。
自然を感じられる場所に憧れる人は多いですが、すぐ買い物に行けないなど、不便を感じる場所の別荘は売れにくいです。
維持費用
別荘を購入すると、管理費や固定資産税、住民税が発生します。普段暮らしている住居とは別に発生するため、維持費用が高額になりやすいです。
管理費には、整備費や清掃費などが含まれています。固定資産税は、耐用年数によって安くなっていても、土地に対する税金は高額である場合が多いです。
普段暮らしている地域での住民税とは別に、別荘のある地域の住民税の支払いも必要です。このように、別荘を所有しているときに発生する維持費用が原因で購入をためらう人もいます。
デザイン性
売却を検討している別荘の中には、オーナーのこだわりが詰まった別荘もあるでしょう。そのような別荘は、デザイン性が高いです。
しかし、デザイン性の高い別荘は、オーナーの好みで作られていることが多く、万人受けしない可能性があります。こだわりを優先しすぎて、使いにくいつくりの別荘も多く見られます。
オーナーのこだわりが詰まったデザイン性の高い別荘は、買い手が限られるため、売れにくいです。ただし、デザインにこだわりのある人は一定数いるので、売却活動を工夫すれば売れる可能性があります。
デザイン性の高い別荘を売却する際は、アピールしたいポイントを決めておくとスムーズに売却できるでしょう。不動産会社と相談しながら、売却活動をするのがおすすめです。
まとめ
別荘は気軽にレジャー気分や非日常感が味わえる場所です。お金持ちの象徴といったイメージもあり、別荘を持っていると何だか特別な感じがするのではないでしょうか。しかし実際は、税金や光熱費、管理費などがかかるので、ある程度の維持費がかかるのが現実です。バブルの時代などと違い、別荘を購入する余裕がない人も多くなっており、なかなか別荘は売れにくいです。しかし、別荘売却を得意としている不動産会社に依頼することで、高く売れる可能性があります。別荘売却に強い不動産会社を探すことをおすすめします。
