一般人と不動産会社、土地を売却するときは何が違う?
売りたい土地があるけれど、どのような売却方法が良いのかわからないという方は、意外に多いのではないでしょうか。土地を売る場合、一般人への売却と不動産会社への売却という2つの方法があり、どちらにもメリットとデメリットがあります。今回は、一般人と不動産会社それぞれに売却するときのメリット・デメリットについて解説します。
不動産を不動産会社に売却するメリット・デメリット
不動産会社に直接土地を売却する場合には、次のようなメリット・デメリットがあります。
短期間で売却できる
土地を不動産会社に売却する場合で最も大きなメリットは、売却までの期間が短いということです。早ければ1週間、遅くても1か月ほどで売却出来ることがほとんどです。
仲介手数料がかからない
一般に不動産会社を通して買主を探してもらうと、仲介手数料がかかります。仲介手数料は、土地売却にかかる費用のなかで、最も大きな金額が必要となる部分です。土地の規模によっては、数十万から数百万円にもなります。しかし、不動産会社に売却する場合は、仲介手数料がかからないので、売却する際の費用の節約ができます。
周囲に知られずに売却できる
不動産会社が買主を探す場合、チラシや不動産情報サイトなどに物件を掲載し、情報を拡散します。しかし、不動産会社が買主であれば宣伝の必要がないため、近所や知り合いなどに土地を売却することを知られる恐れはありません。
測量や解体などの必要がない
不動産会社が土地を購入する場合は、現状のまま買い取ってくれるため、古家付きや隣家との境界線が不明瞭でも売主が改めて測量したり、古家を解体したりする必要がありません。
契約不適合責任が免除される
契約不適合責任とは、不動産を売却した後に売却した不動産に不具合があった場合、売主が負わなければならない責任のことです。不動産会社が買い取る場合には、この契約不適合責任が免除されます。
売却価格が相場より低い
ここからはデメリットについて説明します。1つめのデメリットは、土地の売却価格が相場よりも低くなってしまうことです。不動産会社は、土地を購入した後、新たに販売するためのコストをかけなければなりません。その上で、再販売して利益を上げる必要があるのですから、土地の買取価格は、低いに越したことはありません。そのため、相場より7割~8割ほど低い価格が提示されてしまうのです。
不利な取引になる恐れがある
売主は、不動産についてそれほど深い知識がないことがほとんどです。買主の不動産会社が、土地の価格を低めに提示してこられても、売主にはわからない場合があります。また、少しでも早く現金が欲しいと考えている売主の足元を見るような悪徳不動産会社も、残念ながら存在しています。
これらの不利な状況を避けるためには、あらかじめ土地の相場を調べておき、必ず複数の不動産会社に査定を依頼しましょう。買取価格のほか、担当者の態度や会社自体の評判などをしっかりと調べたうえで、売却先を決めることが重要です。
不動産を一般人に売却するメリット・デメリット
土地を一般人に売却する場合は、不動産会社に仲介してもらう方法が最も一般的です。次は、仲介で売却する場合のメリット・デメリットを見てみましょう。
売却価格の設定が自由に決められる
土地の売却価格は、ある程度相場に左右されますが、売主の事情に合わせて自由に価格設定ができます。売却を急がない場合であれば、不動産仲介業者の査定による価格より少し高めにして、ゆっくりと買主を探すという方法も取れるのです。
売却までの期間が長い
不動産仲介業者に売却をお願いしてから、実際に売却できるまでには、早くても2~3か月はかかってしまいます。仲介業者が土地の情報をチラシやサイトで拡散し、何度かの土地見学などを経て購入者が決まれば、買主の住宅ローン申請、それら諸々の手続きの後に売買契約になります。購入者がスムーズに決まらなければ、1年以上かかる場合もあります。
売却していることが周囲にわかってしまう
土地を売却するためには、情報を広めて多くの人に見てもらわなくてはなりません。新聞折り込みや不動産情報サイトなどに掲載することで、土地が売りに出ているということがわかってしまいます。気にならなければそれで良いのですが、余計な勘繰りをされてしまうこともあるということは、心にとめておいてください。
メリット・デメリットを比較して売却先を決めよう
土地を不動産会社へ売却する場合と一般人に売却する場合、それぞれのメリット・デメリットは、以上の通りです。どちらも一長一短ですので、どの方法を選ぶかは、あなたの状況や希望によって決めましょう。具体的な例を紹介しておきますので、参考にしてください。
不動産会社への売却がおすすめの場合
売却までの猶予があまりない場合や、出来るだけ早く土地を現金化したいという場合には、不動産会社への売却がおすすめです。また、以前に売りに出したが売れなかった土地や、道路に接していない・アクセスが悪いなど、あまり条件の良くない土地を売却したい場合も、不動産会社への売却の方が早く売れる可能性があります。
一般人への売却がおすすめの場合
すぐに売却する必要のないときや、できるだけ高く売りたいときには、仲介を通した売却がおすすめです。人気のあるエリアの土地なら、高めの価格でも比較的早く売却できる可能性があります。そのためにも、売りたい土地の相場や環境などを調査して、どのようなエリアなのかを確認しておくことが大切です。
まとめ
どのような売却方法にしても、不動産会社の選び方によっては、売却価格が大きく変わります。不動産会社へ売却するときはもちろん、仲介業者を通して一般人に売る場合でも、複数の業者に査定してもらい、信頼のおける不動産業者を選ぶことはとても重要です。そのうえで、土地売却の目的・期間などを考慮して売却方法を決めましょう。
