中古住宅の買取相場はどれくらい?買取価格を調べる方法は?
引っ越しや相続税対策などで中古住宅を売却する際、買取相場はどれくらいなのでしょうか?また「買取は仲介に比べると安くなってしまう」とよくいわれますが、一体何が違うのでしょうか?この記事では、中古住宅の買取相場と買取価格を調べる方法などについて、ご紹介します。これから中古住宅の売却をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
中古住宅の買取相場は7割?なぜ安くなるのか
意外にも、中古住宅の買取相場は「仲介の7割程度」が相場とされています。つまり、仲介なら5,000万円の価値がある物件でも、買取にすると3,500万円程度まで価格が落ちてしまうのです。なぜ、安くなるのか?それには以下の理由がありました。
リフォーム・リノベーション代が必要だから
中古住宅を買い取った後、不動産会社はその物件をより魅力的に見せるために、リフォームまたはリノベーション工事をおこないます。とくに、古い住宅だと設備を交換したり、故障した部分を修理したりといった手間もかかりますし、付加価値を付けて高く売ろうとするのです。よって、リフォーム・リノベーション代を差し引いた額で買い取るため、安くなってしまいます。
不動産会社にとっての利益分を差し引くため
買取の場合、仲介と違って不動産会社は仲介手数料を得ることができません。では「どこから利益を得るのか?」というと、買い取った物件に値段を付け直し、再販した時です。よって、買取の際は利益分を差し引いた価格になってしまいます。また、再販に向けて宣伝を行う必要があるため、宣伝広告費や内見で案内するスタッフの人件費なども、再販で得た利益からまかなう必要があるのです。
安くても「構わない」と売主が納得するため
売主側が、提示された額で即決してしまうことが多いのも、安くなってしまう原因の1つです。なぜなら、住まいを売ろうとしている人は急な転勤や借金の返済、相続税対策、離婚など時間的にはもちろん精神的にも余裕がなく「少しでも良いからお金になってくれたら助かる」「とにかく早く手放したい」といった方が大半なのです。よって、優先されるのは価格より早く売ることになりがちなので、市場価格が安くなってしまうという背景があります。
築年数が長いほど中古住宅の価値は下がる
1つだけ忘れてはいけないことがあります。それは買った時は新築でも、築年数が長いほど中古住宅の価値は下がるという事実です。以下、中古住宅の価値が下がるタイミングとどれぐらい下がってしまうのかについて、まとめています。
築10年で価値はおよそ5割まで下落
家は建てられてからわずか10年で、およそ5割まで価値が落ちてしまいます。事実、国土交通省による調査において、新築から築10年の間に資産価値が半分になっていることが明らかになっています。これはつまり、買取に出すなら「5割よりさらに安くなる」ということを意味します。
築11年~20年で、価値は2割へ
築11~20年経過すると、住まいの価値は5割どころか2割にまで落ち込みます。具体的には、築15年目の頃に新築時の2割程度へ下落し、16年目からさらに下落します。そして築20年目を迎える頃には、ほとんど住宅としての価値がなくなってしまうのです。
築20年以上ではもはやほぼ価値なし
正確には、リフォーム・リノベーション工事などで付加価値を付ければ、住宅の価値がまったくなくなってしまう、ということはありません。しかし、何もせずただ放置した場合、住宅の価値がほぼなくなってしまいます。住宅の価値がほぼない場合、更地に戻して土地だけ買い取ってもらう方が、結果的に高値になりやすいです。なぜなら、更地にすることで土地の査定額が上がることが多いからです。
中古住宅の買取価格を調べる方法
持ち家を売ろうと思い立った時「いくらぐらいが相場なのか?」「安く買い叩かれたりしないだろうか?」といった不安が頭をよぎるでしょう。そんな時は、自分で買取価格を調べてみるべきです。中古住宅の買取価格を調べるには、以下3つの方法があります。
レインズマーケットインフォメーションを利用
不動産会社同士が物件情報を共有するためのシステムで「レインズ」というものがあります。レインズマーケットインフォメーションは同システムの個人向けサイトで、売買された物件の価格情報を過去1年前まで遡って調べられます。自分がこれから売却しようと思っている家と似た条件の物件があれば、どれぐらいが相場なのかある程度予測を立てられるでしょう。
「土地総合情報システム」を利用
国土交通省が運営しているサイトに「土地総合情報システム」といって、不動産の地価や取引情報を参照できるサイトがあります。その名のとおり、主に土地の価格を調べられるのが特徴です。築20年以上になると住宅の価値はほとんどなくなってしまうため、築20年以上の中古住宅を売却したい場合は、土地価格だけの取引になる可能性があります。そのため、土地の価格だけでも相場を把握しておくとよいでしょう。
不動産ポータルサイトを使ってみる
不動産ポータルサイトとは、複数の不動産会社が仲介、または所有する物件情報をまとめて掲載しているWebサイトのことです。「不動産ポータルサイトランキング」という検索ワードで探すといくつか出てくるので、気になるサイトがあれば覗いてみましょう。自分が売却を考えている住宅と似た条件の物件があれば、売り出し価格を見て大体の相場を予測することができます。
中古住宅の買取相場や買取価格を調べる方法などをご紹介してきました。一般的に、中古住宅の買取は仲介の7割程度が相場で、その背景には仲介手数料が存在しないため、利益分やリフォーム・リノベーション代が差し引かれる、といった事情があります。また、築年数の経過にともなって、住宅の価値は下落していきます。少しでも高く買い取ってもらうためにも、複数社に見積もりを取ってもらったり、あらかじめ相場を自分で調べたりして対策しましょう。
